ラグジュアリーブランドオーナー邸を訪問するとわかる富裕層の特徴

写真:©Chateau Plessis
コペンハーゲンから車で2時間半。

デンマーク・ヒュン島にある家具メーカー、CARL HANSEN & SON(カール・ハンセン)のクヌッド・エリック・ハンセン(Knud Erik Hansen)最高経営責任者(CEO)の邸宅は、細い林道を抜けた先にある。シカやウサギ、キツネが生息する森の中にたたずむ17世紀の貴族の館を買い取り改装した広大な邸宅には、かつては29人の使用人がいたというのも納得の屋敷だ。

ハンセンCEOの自宅のは執事も使用人も庭師を雇わず、ハンセンCEOが自らトラクターに乗って芝刈りをしている。インテリアにはミュージアム級の品々が並ぶ。リビングルームにはハンス・J・ウェグナー(Hans J. Wegner)がデザインした“シェルチェアCH07”や“オキュラスチェアCH468”がならび、直筆のスケッチ画、量産化されなかったランプなどがさりげなく置かれており、ショールームとしての機能も果たしている。

ビジネス、プライベート合わせて月3~4回はゲストを招いて食事をする。レストランではなく自宅に招くのが北欧風だそうだ。主が自ら玄関にゲストを迎え、ワインを注ぎコーヒーを淹れる。

デンマークでは、富裕層だけが名作と言われているデザイナーズ家具を買っているわけではない。学生時代のウェグナーの中古品を買い、仕事を始めてから新品を買うようになり、年とともに買いそろえていく。モノを大切にするデンマークらしいエピソードだ。カールハンセンだけでなく、ハリーウィンストン邸や、カミュ一族のシャトー・プレシなど、貴族の館やお城を邸宅としているラグジュアリーブランドのオーナーは多い。時代を超えて“良いもの”を手入れをして活かす。その心は、ラグジュアリーブランドのオーナー邸から見て取れる。そして彼らのブランドもまた、長く愛用される製品つくりを心掛けているということが分かる。

参照:WWD Japan

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