DCブランドや、メルセデス・ベンツのSクラスやドン・ペリニヨンなど値段が高いものが一目置かれる対象になっていた時代。自動車ではライフスタイルを訴求したRV、ワインでは産地や料理とのペアリングなどといった、経験が一目置かれる対象になっていた時代。その世代によって贅沢の種類は推移してきている。
第1世代:消費 | 80年代バブル期は、より高額なモノを消費・所有すること(顕示すること)で尊敬を得る傾向にある。現在でも一定の市場規模がある。 |
第2世代:経験 | バブル崩壊後の90年代から2010年代は、モノを購入・所有することよりも、体験やカスタマイズなどのコトの価値が高まり、自分にあった体験を選別できる知識や教養を持っていること(顕示すること)で尊敬を得る傾向にある。最もパワフルな存在である。 |
第3世代:善 | ニューラグジュアリー市場は2010年後半辺りから、消費や経験などを通じたあからさまな顕示は避け、ソフトに贅沢を楽しみ自分磨きや自己向上、SDGsや社会貢献などの善を主としたライフスタイルを実践することで尊敬を得る傾向にある。2020年代には強い求心力をもつと予想されている。 |
今後の経済に大きく影響を及ぼすとされている消費キーワードは、善だ。
この第3世代は、ソフトに贅沢を楽しむミレニアル世代の価値観が影響している。ITの浸透もあり情報発信の内容に気を配っている。自分の心理や健康に「善」であるものや、他人や社会のために「善」であることを実践することに重きを置いている傾向にある。
SDGsが叫ばれる昨今、商品を買う際、環境や差別、動物保護など、社会問題に取り組んでいる企業のものかどうかを確かめて買うようにしているのもこの世代だ。そして、世帯年収が高ければ高いほどSDGsへの関与度は増加する傾向にある。チャリティーやガラパーティー、寄付などの社会的なものから、オーガニックやヴィーガン等のパーソナルなものまで、ニューラグジュアリー市場においても多様化が進むことが予想される。